Faith & Trust
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慶応義塾高校107年ぶりの優勝で幕を閉じた、105回目の甲子園。
前回王者・仙台育英との決勝戦、いやー楽しかったなぁ、ほんでみんなホンマに楽しそうやったなぁ。
最高の舞台で最強のライバルと頂点を競うってのはそらたまらんやろけど、それにしてもあんな思わず笑い合っちゃってるような、表情豊かで幸福感あふれる高校野球は初めて観たわ。
あの両監督はきっと、生徒ではなく選手、子供ではなく大人、一人の人間として日頃からとても丁寧かつ対等に球児たちと接してはるよね。
じゃないとあれ程の大観衆の前で十代の若者たちが迷いなく笑い、そして淀みなく自分の言葉で話すことなんて出来へんやろし、主従関係ではなく信頼関係の構築に重きを置いた見事なマネージメントやったと思う。
サラサラヘアーに日焼け止め云々といった象徴的なアイコンも含め、まさしく新たな時代の到来を予感する、勝手に社会的意義すら感じてしまった素晴らしい熱戦でした。
おめでとう慶応、ありがとう仙台育英!
新時代 is coming!!
「アホか、テニスなんか遊びやねんから部活ない日は勉強せぇ!」
高校テニス部顧問のT先生に怒鳴られたその一言は目からウロコで、なぜか俺は嬉しくて、今でも鮮明に覚えとる。
だってめっっちゃめちゃ厳しくて、誰よりも熱くて真剣で、その人の口から「テニスなんか遊び」って言葉が出たわけやから、そらもうなかなかの衝撃やったよ。
でもその時「この人は信じれるなぁ」って確かに感じたし、その感覚のおかげで四十手前になっても本気で遊べる大人を続けられてると思ってる。
ちなみにT先生は俺が2年の時に転勤してしまい、後任で来たN?先生はまったく怒らん優しいおじさん。
名前も顔もうろ覚えやけど、唯一の記憶は年間を通じて最も重要な神戸市1部リーグの団体戦前に彼が発した「勝ち負けも大切だけど、今日はそれ以上にK高生らしいテニスをしましょう」という朗らかなお言葉。
あの時の白けた空気と今風に言うT先生ロス感、そして卒業後に見た後輩たちの悲しい弱体っぷりは、あれはあれでまた強烈に覚えとるなぁ。
厳しさとは、優しさとは、愛とは、信頼とは。
新鮮な風に揺られる深紅の優勝旗に、ふとT先生の顔が浮かんだ熱い夏。
先生元気かなー、俺は今でもテニスやってます。